第123章

田中尚哉は、結局病室へ足を踏み入れた。

そこへさらに二人が入ってきたせいで、さっきまで広かった病室が急に手狭に感じられる。大島莉理は困ったように肩をすくめる。

「ほんとに何でもないの。二人とも用がないなら帰って。研究室、見てる人がいないと困るでしょ」

前田美咲が呆れ混じりに眉を上げた。

「その状態で、まだ研究室の心配してるの?」

佐伯清司も頷く。

「先輩、入院した方がいいです」

「入院って……大げさ。ちょっとしたケガだよ」

莉理にしてみれば、検査結果さえ出て心臓に異常がないと分かれば、あとは擦り傷と打撲が少し残る程度。大したことではない。今、頭を占めているのは実験データのほう...

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